雪中キャンプ 岩手県一関市某キャンプ場

 

2016年01月25日 16:21

それにしても、今シーズンの冬は雪が降らない。
雪中キャンプをしたくとも肝心の雪がないし、雪山を歩きたくとも冬用のルートはブッシュだらけで使えない。そんな事が続いていた。
冬こそキャンプシーズンであると考えている私はフラストレーションがたまっていたが、ようやくまとまった雪が降ったので、キャンプ仲間と岩手県のキャンプ場に向かってみた。

2016年1月23日 岩手県一関市某キャンプ場



この時持っていった物
服装


種別

内容



服装
アンダーウェア上下、ダウンジャケット、ダウンパンツ、フリース、パンツ、マウンテンパーカ、ニット帽、グローブ、防寒ブーツ


ザック内(グレゴリー バルトロ65)


種別

内容



テント
アライテント エアライズ1、グラウンドシート


マット
サーマレスト リッジレスト ソーライト レギュラー


シュラフ
モンベル スパイラルダウンハガー #0、エアピロー、イスカ ゴアテックスシュラフカバーウルトラライト ワイド


クッカー類
ダグ 焚火缶、エバニュー ハンドル、イワタニプリムス P-153、250OD缶、シエラカップ3個、スポーク


食料
共同装備


その他
ラジオ、ナイフ、ヘッドライト、LEDランタン、双眼鏡 ビクセン アルティマZ 7x50


ザック外の道具(使用したもののみ記載)


種別

内容



共同装備
酒、食料、コッヘル、簡易タープ1張、タープ1枚、細引き、スノーピーク 焚き火台S、耐火グローブ、火バサミ、炭、薪、イス、黒じょか、ホットサンドメーカー


冬本番なので、モンベルのエアーマットから、サーマレストのリッジレストに切り替えた。その他、シエラカップを2個から3個に買い足した。防寒もこんなものだろう。
キャンプ前に登山装備で山を歩いたが、この装備一覧は面倒なので、ここでは省略する。


今回は、雪を目いっぱい楽しもうと思っている。降りたてのフカフカな雪の上をスノートレッキングし、その後、仲間とキャンプ場で合流して雪中キャンプをするのだ。
今回のキャンプ場は、岩手県の山奥にあるキャンプ場(野営場)で、夏でも利用料金は無料で、何と薪も無料という、素晴らしいキャンプ場だ。今回は薪を持参したが、山のように積まれている薪にワクワクしないキャンパーは居ないだろう。
ここは山奥なだけあって、積雪量も非常に豊富で、既に120cmに達そうかという状況だ。除雪の済んである道路の脇は場所によっては人の背ほどの高さの壁が出来上がっている。
このキャンプ場の前の道路を500mほど進むと冬季通行止めになっていて、その奥に小さな山があるので、キャンプの前にこれと戯れようと考えている。ここは、手軽に雪上歩きとキャンプが楽しめる良い場所だ。

この週末は西日本を中心に大荒れの天気となる予報で、東北も荒れる対象になっているという。折角の雪中キャンプなので、多少荒れた方が雰囲気が出るのではないかと勝手な期待をしている。
どうも、ここは風が強くなりやすい場所らしい。去年の1月には、仲間のテントが一瞬の突風で根こそぎ飛ばされて行方不明になり、近くの温泉旅館に逃げ込むという事態が発生したという。テントの設営は、工夫しなければならないだろう。

自宅を9時前に出発する。目的地に近づくにつれて、真っ白な雪の景色に一変する。巨大なブナの木に雪が積もっては落ちていく。本格的な冬の景色になってきたじゃないか。
キャンプ場奥の冬季通行止めのゲート前に10時半に到着し、登山装備に切り替える。アンダーウェアはキャンプで使っているものを流用、薄手のフリース、ハードシェル上下。
山行記事は、ブログに書くのと動画編集が面倒な割に読んでくれる人が少ないので書くのは止めてしまったけれど、山歩き自体はやめていた訳ではない。年末年始は北アルプスで年越しをして美しい初日の出を拝み、今週前半に東北で異常な荒天だった時には、岩手のある山を2泊3日で攻撃していた。これでもスキルアップを重ねていたつもりなのだ。
さあ行こう。1時半をリミットと決めて進む。道路脇の雪の壁をエイと乗り越え、スノーシューを履いて一歩踏み出す。

げぇーっ!!めちゃくちゃ雪が沈む!!
酷い場所だと、膝と同じ深さまで沈む。降ったばかりの新雪なので、沈むのは想定通りだけれど、もう少し雪が落ち着いているのではないかと思っていた。これがずっと続くのかと思うとゲンナリするが、体力作りだと思って頑張ってみるか。
その後、3時間の地獄のラッセルと格闘し、タイムリミットの1時半を迎えたので、入り口に引き返す事にした。3時間かけた道のりも、帰りは30~40分程度だったろうか。


冬季閉鎖ゲート前から15秒も車を走らせれば、今日のキャンプ場だ。キャンプ場の前には仲間の車が停まっている。キャンプ場の入り口は完全に雪に埋もれているので、適当に足場を作って入っていっているようだ。
仲間の踏み跡を使ってキャンプ場に入っていくと、既に簡易タープが設営されている。その脇には管理棟と思われる建物があって、薪が山積みになっている。薪が無料というだけある。いいキャンプ場だ。夏に来てみようか。
個人装備と共同装備を運び込み、車は近くの温泉施設の駐車場に置きに行く。温泉施設の職員に、キャンプ場で一晩キャンプしますね、と一言断りをいれるのを忘れない。除雪車の邪魔になるので車道に車をおかないように、という注意だけあった。


テントを設営する。
雪中キャンプでは雪を踏んで均して、その上にテントを張る。今現在は無風ではあるものの、ここは強風地帯なので、雪を掘って暴風目的の囲いを作ってから、そこにテントを張ることにする。
フカフカの雪は掘っても手応えがなく、雪が安定していないので踏んでもなかなか平らにならないし、踏み抜きをしたりする。いいぞ。こういう試行錯誤をしながらやるキャンプが好きなのだ。たっぷり20分もかけてテントを設営し終えた。
私が雪と格闘している横の簡易タープの下で、仲間たちはビールを飲んでいた。


夕食の献立は、焼き鳥、タラ汁、キムチ鍋、エビ汁だ。鍋料理が3種類だが、冬は温かい汁が嬉しい。
特に我々の雪中キャンプは寒空の下、暖房器具を使わずに冬を楽しむというイカレた泥臭いキャンプスタイルなので、食事で体を温めねばならないのだ。
それにしても、山歩きの後だからか、腹が猛烈に減っている。水分補給も足りていなかったのか、ビールがゴクゴク美味い。焼き鳥の焼き加減も上手で、噛むと肉汁がジュワッと口の中に広がり、そこへビールを流し込む。美味いものは、暖かい場所でも寒い場所でも美味いものだ。


めいめいに好きな酒を飲む。日本酒を飲み始めた仲間も居る。
燗をつけるために黒じょかを持ってきたので、使って貰ったら、下から雫がぽたぽたと漏れ出ている。どうやらヒビが入ってしまっているらしい。炭のような高温の熱源へ冷たい状態のまま直接載せると、強い温度差で割れてしまうのかも知れない。残念だが、黒じょかはまた買おう。
仕方が無いので、カップを湯煎して飲んで貰おう。


この卓上で調理に使っている、このナニ、随分と便利なようだ。アルミテーブルの上で使っても焦げたりしないし、安定性もいい。しかし、結構いい値段がするようだ。
いかん。いいなー、って思っちゃいかん。


危惧していた天候もあまり変化せず、風も大した事は無かった。気温もマイナス5度程度ではないかと思う。寒くないとは言わないが、雪中キャンプとしては実に快適な夜だった。
男たちの夜は短い。次々と酒の酔いに敗れた男がテントへ引っ込んでいく。何時だったか記憶はないが、私もテントに入り、フカフカのシュラフに潜り込んだ。静かな冬の夜、自分の体温で次第に暖かくなっていくシュラフ、天国がそこにあった。


翌朝。
テントに積もる雪がスルスルと落ちていく音で目を覚ます。快適哉、まだ眠れそうなので、シュラフを頭から被り直して、二度寝する。
6時頃、人の声もし始めた所で起きる。そっとテントの外を覗いて見ると、早朝に雪が降ったらしかった。20cmくらいだろうか。
仲間のテント。モンベルのステラリッジ2型。スノーフライ使用。
私もスノーフライ使ってみたいなー。いかん。いいなー、って思っちゃいかん。


イスに雪が積もっていて、それを尻に敷いてしまったものだから、尻が濡れてしまった。アウターのパンツ、ダウンパンツ、アンダーウェア、下着、全てが濡れてしまった。防寒の他にも防水も気をつけねばならない。
冬山で平気で遊べるようになったし、冬山における生活技術も実習形式で身に着けてきた自負もあって、キャンプごときと少しナメていた所があった。雪上でどう考えて工夫するかは、山もキャンプも共通点がある。慣れてきた時こそ気を引き締める必要があるだろう。次回の課題としよう。


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