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2015年05月26日

山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

その1からのつづき。

トラブルで時間をロスしてしまってはいるが、休憩を取らない訳にはいかない。自分の体力が無いのは解っているので、無理に行動しても、後がもっとつらくなるだけだ。
三峰山の稜線上、ザックをどっかと下ろし、潅木に腰かけて休憩する。汗ばんだ肌に風が気持ち良い。
アミノバイタルプロを水で胃に流し込む。本日3本目であり、最早アミノバイタルジャンキーである。へっへ、こいつを一本打てば元気が出てくるってもんよ。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

三峰山山頂だ。
本日最後の山頂なので、ちょっとした達成感がある。そしてここまで来ると、今日はほぼ下りのみになる。ひ弱な肉体が、もはやこれまでと悲鳴を上げているが、後はダラダラ歩きなので、極端なキツさはないだろう。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

三峰山を下る前に、最終目的地の泉ヶ岳と北泉ヶ岳を見る。ここから先は長い長い林間歩きになり、展望は得られない。
あんなに遠くに見える山に、自分の足で向かうのだから、自分も大したものだと少し思う。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

三峰山から長倉尾根を歩き、水源というテント場に到着するまでは2時間かかる。この時は、景色の変化の乏しい林間歩きで、さぞつまらない思いをするだろうと考えていた。
三峰山から長倉尾根に向かって下りていくと、残雪だらけの様子だった。船形山から三峰山にかけての稜線上では、雪を踏む場所は一切無かったのに、ここに来て残雪だらけなのだ。林間で日陰だから残雪が多いのだろうか。
当然ながら、雪があると登山道が隠れてしまう。冬に自分で道なき道をルートファインディングしながら進んだが、まさかここでやる事になるとは思ってもみなかった。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

地図とGPSで位置と方向を確認して進む。残雪に隠されて、本来の登山道がどこにあるかは解らない。残雪が切れて、藪になった。周囲に登山道は見当たらない。GPSを確認して登山道と交わるように方向どりをして進んでみるものの、登山道にぶつからない。登山道を探しながら藪漕ぎを続けていると、再び残雪の場所に出る。残雪を抜けると藪漕ぎ・・・これを繰り返した。
はっきり言って、精神状態は最悪だ。登山道を探しつつ先に進んでいるのに、一向に登山道に出ないのだ。当然イライラもする。ラジオから聞こえてくる小娘のクソみたいな歌がイライラを加速させる。GPS上では登山道の上を歩いている事になっているのに、やっている事は藪漕ぎという矛盾に腹が立つ。
方向だけは合っている、登山道と平行して進んでいる、それだけが精神を安定させる材料だった。歩いていれば、必ず登山道に交わる筈だと。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

登山道に出る事が出来た。今考えると、きちんと進んでいたのだから何も不安になる必要はないのだが、登山道でない場所を進むというのを覚悟していなかっただけに、少し心が乱れてしまった。
この時ばかりは、GPSを持ってきて良かったと感じた。コンパスも持ってきているので、これでも登山道への復帰は出来ただろうが、やはりGPSの便利さには適わない。一人で歩く人ほど、不測の事態の為にGPSは持った方が安心だと思う。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

残雪歩きと藪漕ぎでも結構距離を稼げていたらしく、思ったよりも早くテント場の水源に到着した。トレッキングポールの置き忘れ、雪渓でのルート誤り、長倉尾根でのルートロスまがい、とトラブル続きだったにも関わらず、30分から1時間程度の遅れで収まってくれた。
でも、肉体的にも精神的にも、今日はクタクタだ。早く休みたい。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

素早くテントを設営したい所だが、ノロノロ動きでテントを建てた。
風もないし、四つ角の張り網は不要だろう。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

外はブヨの大群でのんびり出来ないので、テントの中に引き篭もる事にする。煮炊きも一人宴会もテントの中だ。
私のテントはアライテントのエアライズ1なので中は狭いが、一人で煮炊きする程度は可能だ。
あー、焚き火してぇ。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

調理を始めようと、コッヘルを取り出す。コッヘルの中にスタックされているガスとストーブを取り出すと、ガスをストーブへ接続する部分が錆びている。
キャンプで焚き火で調理ばかりしている所為か、ストーブは全く使っていなかった。キャンプには念の為にと、ガスもストーブも持っていっているが、取り出さないので、サビている事に気が付かなかった。装備は出発前に点検すべきだった。
まぁ、ガスは普通に燃焼してくれるので、このまま使う事にしよう。疲れているから、小さな事は気にしない。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

食事はいつもと代わり映えしないが、鍋キューブの鍋と、それを食べきった後、サトウのご飯で雑炊だ。
生野菜と肉を持ち込んで、重いだけだと思われるが、私は新鮮な野菜を食べたいのだからいいのだ。多少重くても運ぶ。疲れている時にカップラーメンを食べても元気がでないのだから、そういう事だ。
ただ、締めの雑炊にサトウのご飯は重くて失敗した。次回から雑炊をする時は、アルファ米にしよう。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

夜、ビールを飲んでまどろんでいると、外から何の鳴き声だか解らないが、しきりに会話するような動物の鳴き声が聞こえる。声に太さがあるので、大きい動物ではないかと思う。カモシカとかだろうか。
久しぶりに自然の中に、テントの布一枚で隔たれた空間で過ごすと、自然の近さを感じる。オシッコをしたくなって外に出ようと思っても、結構勇気が要る。何が怖いという訳ではないのだけれど、光のあるテントの中から、真っ暗な外に出るのを躊躇する。暗闇が怖いという、原始的な恐ろしさ。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

朝5時半起床。
朝食を簡単に済ませ、出発の準備をする。
今日の分の飲み水のストックはない。自然の水を利用するしかない。
プラティパス2を片手に、水場へと向かう。ちょろちょろの水の流れの、水の溜まった場所からプラティパスに汲み入れる。とても冷たい水だ。
地図上に記載されている水場の水は、そのまま飲んでも構わない、という言葉を信じて、ハイドレーションシステムにそのまま補給する。
飲んでみると、柔らかで非常に美味しい水だった。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

出発の前にまだやる事がある。
この水源という場所の周辺は、コシアブラが沢山生えているのだ。昨日の夕方から摘みたくて仕方が無かった。しっかり採取していこう。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

さあ出発だ。
2日目は、ゆったりの行程だ。北泉ヶ岳、三叉路、泉ヶ岳、下山、というゆっくり歩いても4時間のコースだ。靴擦れも痛むし、筋肉痛だし、ちんたら歩く事にしよう。
1時間ほど歩くと、北泉ヶ岳の山頂に到着した。
虫が凄い。猛烈な勢いでアタックしてくる。早朝だからブヨも活発なのだ。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

三叉路。泉ヶ岳方面と水神への分かれ道だ。
足が痛いので下りたい気持ちが出てしまうが、ここで泉ヶ岳に登らないと昨日からの山旅が台無しになってしまうので、頑張ろう。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

泉ヶ岳山頂手前で、視界が開ける。2日かけて歩いてきた山が遠くに見える。
感慨深い。順調な山よりは、今回の様に多少のトラブルがあった方が思い入れが強くなるのだろうか。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

泉ヶ岳山頂。人が多い。船形山からここまで、殆ど人に出会わなかったが、人に会えて嬉しい気持ちは特に湧いて来ない。私は一人が好きなのだと再認識する。
泉ヶ岳で、このサイズのザックを背負っていると目立つ。デカいザックを背負って格好付けているんじゃない、というような視線を感じる・・・と、勝手に思い込んでしまう。高尾山でガチ装備をしていると蔑まれるような、そんな感じ。私の勝手な妄想。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

人に会いたくないのと、林間歩きは飽きたので、下りはカモシカコースを選択した。
カモシカコースは、岡沼と兎平という開けた場所を経由するルートなので、泉ヶ岳の違った一面を楽しめるのだ。そして、傾斜がキツいコースなので、人も少ない。
傾斜がキツいので下りは足に堪えるが、岡沼と兎平を歩く気持ち良さは格別だった。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2

兎平を超えると、泉ヶ岳スキー場のゲレンデに出る。目の前に仙台平野が海まで見渡せる。
山旅が終わってしまうのが残念で、下りきってしまうのが少し勿体無かった。
山歩き 船形山~泉ヶ岳 テント泊縦走 20150523 その2





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この記事へのコメント
こんにちは

いつものことながら、観察的でいてかつ思索的なレポ、楽しく読ませていただいています。ところで、アミノバイタル、効果はどんなものなのでしょう?
Posted by armysealsarmyseals at 2015年05月27日 09:07
armysealsさん。こんにちはー。
だんだん文字だらけになってきていて、読みにくいブログだなぁ、と思っています。

アミノバイタルですが、これは効きますよ。
行動中に疲労がたまって軽くバテた状態になる経験をなさった事があると思いますが、そうした時に飲むと、15分くらいで体に活力が戻ってきます。
普通、そうならないように行動食をこまめに食べて予防する訳ですが、なってしまった後の回復は、なかなか直ぐにという訳にもいきません。
手軽で、効きが良いので、行動食の1種として使ったり、バテ回復に使ったりと、とても便利だと思います。

上記のような行動前・行動中の他、行動後に飲むと、筋肉痛になりにくかったりと、メリットは大きいようです。

アミノバイタルの効果には、とても感動したので、今度レビューしてみたいと思います。
Posted by saltpinesaltpine at 2015年05月27日 14:36
縦走お疲れ様でした。
色々なトラブルもありましたが、臨場感たっぷりで解決されていくのが流石だなぁと思います。

今回も楽しく読ませていただきました(*^_^*)

移動時にはブヨ対策は何かされていたのでしょうか?
Posted by *snow**snow* at 2015年05月28日 20:31
*snow*さん。こんにちはー。
トラブルまみれというのが、私らしいですよねー・・・。

ブヨは、ハッカ油が効きます。
ハッカ油、エタノール、水の混合液をシュッシュとやると、ブヨは噛み付いてきにくくなります。(体に多少はまとわりつきますが)
やるとやらないとでは、もの凄い差です。
スプレーすると、ハッカ油効果でひんやりするし、暑い山で清涼感を得られるのでオススメです。
Posted by saltpinesaltpine at 2015年05月29日 08:32
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